横浜市 戸塚区 光明堂鍼灸院 女性鍼灸師による、はり・きゅう 体のバランスを整えます
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コラム
日々の徒然を書き留めています。
「人の力、鍼の力」 2014.09.09

 

 人の体(人に限らず、自然界に元々存在するすべてのもの)は、人の手によって作られたどんな芸術工芸品よりも精密機械よりもすばらしいものです。この業界に入って、人の体について学ぶ度にそう思います。

 

 人の体は本来、自らの体のバランスを整え癒す力を持っています。しかし、ちょっとした無理や不摂生が積もり積もると、本人も気づかぬうちに、体のバランスが少しずつ崩れてゆきます。このバランスの崩れもある程度までなら、ゆっくり心身を休めるなどの養生を行うことで、自分で元に戻せます。いわゆる自然治癒力です。しかし、その程度が大きくなり日常生活を送りながらの自然治癒力では戻せなくなると、痛みなどの体の不調として現れます。
 体のバランスの崩れ方は様々です。

 体に本来備わっているものが足りなかったり、逆に余分なものが留まっていたり。体がほてって異常に汗をかいたり、逆に体が冷えて仕方なかったり。不快な症状が上半身もしくは下半身、あるいは左右に偏っていたり。これらのバランスの崩れは複合して現れることもあります。
 痛みに代表される不快な症状は、体のバランスが崩れていることを知らせてくれる体からのサインです。「もうそろそろ、このバランスの崩れを何とかしてください。」と体から言われていると思ってください。本来はきちんとバランスをとれていた体なのだから、崩れたバランスを元に戻してあげれば不快な症状はおさまります。

 

 鍼灸治療はこの崩れたバランスを元に戻す治療法です。

 

 一昔前のお風呂は、蛇口をひねればお湯が出てくるというものではなく、まず湯船に水を溜めて、その水をわかして入りました。これだとわかしたての湯船のお湯は、上に熱いお湯が、下に冷たいままの水が溜まっています。なので、湯船に入る前に必ずお湯をかき混ぜて適温にしてから入りました。
 バランスの崩れた体は、この二層分離状態の湯船のお湯だと思ってください。そして、これをかき混ぜる行為が鍼灸治療です。
 なので、鍼灸治療を行う場合は、必ず全身の状態を確認します。
人によっては、上に溜まった熱いお湯にのみ意識がいって「この熱いのを何とかしてください。」と訴えられるかもしれません。しかし、つらいと言われた上方だけを診てそれのみに対応しようとすると、上のお湯を冷ます、もしくは、上から冷たい水を足す。という対応をとってしまうかもしれません。しかし、上のみでなく下も診れば、この人に必要なのは上のお湯を冷ますことでも、上から冷たい水を足すことでもなく、上下をかき混ぜることだとわかるのです。
 よって、「肩こりがひどくてつらいんです。」という方に、「お腹の調子はどうですか?快便ですか?」とか「夜はよく眠れますか?」と聞いてみたり、お腹の状態や、足の状態を確認したりします。
 その人の今ある状態を全身的に見極めて、その人が本来持っている自然治癒力を引き出し、バランスを整える。それが鍼灸治療、鍼の力だと私は思っています。

 

 最後に現実的なことをひとつ。(^-^;

 

 鍼灸師は十人十色。それぞれの症状に対してどのようにアプローチしてゆくかは、各鍼灸師によってかなり異なります。(鍼灸治療がいまいち社会に定着しないものこの辺に一因があるのではないかと思っています。)しかし、国家資格を持っている鍼灸師はどのようにアプローチをするにしても、それぞれのベースとなる基本知識は全員持ち合わせています。
 自分の受けたい鍼灸治療に対してなんらかのイメージをお持ちの方は、各鍼灸院に問合せしてみてください。今は大抵の鍼灸院がホームページを作っていますので、それを参考にされるのもいいかと思います。

 

 では、初回のコラムからかなり間の空いた第2回目のコラムはこれにて終了です。
朝晩は寒いと感じる日も多くなってきました。季節の変わり目につき、体調崩されぬよう、お体ご自愛ください。(^O^)

 

 

※本来「治療」という行為は法律上、医師にのみ許される行為です。鍼灸師による行為は「施術」といいます。このコラムは鍼灸師による行為を前提として書いていますので、本来は「鍼灸施術」とすべきところですが、「施術」という言葉が一般にはあまり馴染みがない為、一般の方にも分りやすいように、今回のコラムでは「鍼灸治療」という表現を使わせて頂きました。ご了承ください。

 


光明堂鍼灸院 齊藤洋子