横浜市 戸塚区 光明堂鍼灸院 女性鍼灸師による、はり・きゅう 体のバランスを整えます
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コラム
日々の徒然を書き留めています。
「○○に鍼って効くの?」 2014.10.20

 

 仕事柄、「○○に鍼って効くの?」と聞かれます。
  ものすごく、端的に答えるなら「うん、効くよ。」が答えです。○○に何が来ても、です。
  「え、じゃあ、鍼は何にでも効くってこと?!」という問いに対しては、そうとも言えるし、そうでないとも言えます。

 

 「具合が悪い」ということは、心身において何らかのバランスの崩れが生じているわけです。鍼灸はそのバランスを整える療法ですから、いかなる症状であっても、一定の効果が望めます。しかし、それは「何にでも効く」という言葉から醸し出る万能性を保証するものではありません。 
バランスの崩れにも程度があり、そのバランスの崩れが回復不可能な程度となると、そのバランスを元に戻すことはできません。
 あとは、各々の鍼灸師のレベルにもよります。「どこのお医者さんに行ってもダメだった長患い」を治せる人もいれば、そうでない人もいます。まあ、この「長患い」がバランスの崩れによるものとも限らないので、一概には言えませんけど。(^-^;

 

 バランスの崩れの程度は、その人の体の状態をよく診てからでないと判断できないので、厳密に答えるなら「うん、(鍼灸は)効くと思うけど、一度体の状態を診させてもらわないと、何とも言えないかな。」ですかね。

 

 東洋医学では、病を判別する1つの基準として「虚実(きょじつ)」という考え方があります。
・「正気(せいき)虚(きょ)」とは、本来あるべきエネルギー(正気(せいき))が足りなくなっている(虚(きょ))状態。
・「邪気(じゃき)実(じつ)」とは本来必要でないエネルギー(邪気(じゃき))がある(実(じつ))状態。
そして、病とは、この虚実のバランスが崩れていることでもあります。体内に必要なものが不足しているか、もしくは、余分なものが入り込んでしまっているか。また、余分なものが入り込んでいるにしても、まず体の中になにかしらの正気の虚があって初めて、邪気が体の中に入り込むと考えられています。
  風邪の流行を考えてもらうと、わかりやすいかもしれません。風邪が大流行してウィルス(邪気)が空気中にどんなに舞っていても風邪を引かない人もいれば、風邪が流行ると必ず引いてしまうという人もいますね。同じようにウィルス(邪気)が蔓延している所にいるのにこうした個人差がでるのは、その人の正気虚の程度によるものです。
  つまり、病にかかるということは、「あなたの体は今、弱っていますよ。」「もう少し体を大切にしてください。」という体からのサインです。

 

 あと、当たり前といえば当たり前ですが、バランスの崩れは、大したことないうちの方が元に戻しやすいです。1本の糸に結び目が1つ2つできたぐらいでは、ほどくのは簡単です。しかし、これがぐちゃぐちゃにからまって玉状になってしまったものを、糸を切らずに元の糸に戻すのは大変です。

 

 東洋医学の昔の医書に「上工は未病を治し、中工は已病を治す」と書いてあります。
「未病を治す」とは、病が五臓の間を移り伝わってゆくのを未然に防ぐことによって病を治すことです。五臓とは五臓六腑の五臓。内臓のことです。西洋医学では、ある内臓を病んだ場合は、その臓器の治療をします。しかし、東洋医学では、体(五臓六腑)をひとつとみなします。つまり、ひとつの臓を病んだ場合、放っておくとその臓と関係の深い他の臓も病んで、その影響はやがてすべての臓腑に及ぶと考えられています。よって、今病んでいる臓のみならず、これから先影響を受けるであろう臓にも対処して、この病の伝播を未然に防ぐことができる者を上工、すなわち優れた医人と言います。一方、「已病を治す」とは、今病んでいる臓だけを治そうとすることです。このような者は中工、つまりまあまあの医人です。
  西洋医学においては、患者さんはどこか悪い所がある(病がある)から治療を受ける。お医者さんは、どこかが悪くなっているから治療する。というのが常識です。しかし、東洋医学で医人の最高の対処とは、未だ病になっていない病を治す「未病治」なのです。

 

 ご自身で日頃から節度ある生活を守り、養生を怠らず、心身ともに健やかさを保ち、元気かつ穏やかに長生きして、大往生する!これが理想です。(^◇^)これまた昔の医書に「『大昔の人々』(つまり現在からだとものすごく大昔の人々)は、年をとって百歳をこえてもまだその動作が衰えることはなかった。ものすごい人になると、百歳をこえても子供もつくれた。(!!)」と書いてあります。別に誰もそこまでは望んでいないと思いますが、(^-^;「そこそこ元気に大往生」ぐらいは目指してもよいのではないでしょうか。(・∀・)
  そうは思っても、いろいろ不養生してしまうよねー。という方は、定期的に鍼灸をうけて未病のうちに体のバランスを整えて、「そこそこ元気に大往生」を目指してください。(笑)


 


光明堂鍼灸院 齊藤洋子